生物屋さんのためのゼロからのプログラミング

―忘れないための覚書 (たま~に更新)―

Rを使った、データの読み込み、フィッティング、データの書き出し

Rでの解析方法についての覚書。

まずは、Rを使ったデータの読み込み方法。
(1) テキストファイルからのデータの読み込み

   > data = read.table("C:\\------.txt"(ファイルの指定), header = F)

ここでの"data"は読み込んだデータの入れ物。

   header = F

これは、第1行に変数名がないことを指定している。(もし、変数名がある場合は”T”にする)
このコードでは、"C:\\------.txt"のように開くファイルをタイプする必要がある。(打ち間違えのリスクもあり面倒)
そのため、

  > data = read.table(file.choose(), header = F)

のようにfile.choose()を使用すると、「ファイルを開く」ダイアログが表示されファイルを選択できるようになり便利。

  > data = read.table(file.choose(), header = F)


(2) Excelファイルからのデータの読み込み
 (a) Excelファイルを指定して、データを読み込む
まず下準備として、Rの“パッケージ”から“パッケージのインストール”をクリック。Packagesの中から“xlsx”を選択。

 > library (xlsx)
  > data2 = read.xlsx(file.choose(), 1, stringsAsFactors = F, header = F)

Excelファイルを開くには、

 > library (xlsx)

で、“xlsx”を呼び込む必要がある。(Rの起動時毎に)
途中にある“1”はシート番号、第1行に変数名がない場合は“stringsAsFactors = F, header = F”にしておく。

 (b) Excelファイル上の特定のデータを読み込む
まず下準備として、Excelファイル上の解析したいデータをコピーしておく。

 > data3 = read.table("clipboard", header = F)

このようにして、Excelファイル上の特定のデータを読み込む場合は、“library (xlsx)”の必要はない。



読み込んだデータは、

 > data

で、確認できる。

ここでは、次のようなデータを読み込んだ。

  V1 V2
1 12  0
2 10  1
3  8  2
4 11  3
5  6  4
6  7  5
7  2  6
8  3  7
9  3  8


次に、読み込んだデータをグラフにする

 > x = data[[1]]
 > y = data[[2]]
 > attach (data)
 > plot (x, y, pch = 16)

このコードで、下記のようなグラフが書ける。
f:id:Aki-Miya:20170105113345p:plain

 > x = data[[1]]
 > y = data[[2]]

では、取り込んだデータの1列目を“x”、2列目を“y”としている。

 > plot (x, y, pch = 16)

この部分で、x-yのグラフを描かせ、表示を黒丸(pch = 16)にしている。




読み込んだデータの線形回帰

 > fm <- lm (y ~ x)
 > abline(fm)

このコードにより下記のように回帰直線を求めて引くことが出来る。
f:id:Aki-Miya:20170105114221p:plain

 lm (y ~ x)

この部分で、どの変数が応答変数で(ここではy)、どの変数が説明変数(ここではx)なのかを、Rに教える。
線形回帰の場合は“lm”を用いて、非線形回帰の場合は“nls”を使用する。


線形回帰の結果は

 > summary (fm))

で呼び出すことができ、ここでは下記の様になった。

Call:
lm(formula = y ~ x)

Residuals:
    Min      1Q  Median      3Q     Max 
-1.2775 -0.9143 -0.5735  1.0745  1.7561 

Coefficients:
            Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)    
(Intercept)   8.6184     0.9296   9.271 3.52e-05 ***
x            -0.6704     0.1205  -5.565 0.000846 ***
---
Signif. codes:  0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1

Residual standard error: 1.257 on 7 degrees of freedom
Multiple R-squared:  0.8157,    Adjusted R-squared:  0.7893 
F-statistic: 30.97 on 1 and 7 DF,  p-value: 0.0008461


最後に、解析結果をエクセル等に書き出す

 > names(fm)

で、解析結果の中身を調べることが出来、結果が下記。

 [1] "coefficients"  "residuals"     "effects"       "rank"         
 [5] "fitted.values" "assign"        "qr"            "df.residual"  
 [9] "xlevels"       "call"          "terms"         "model" 

この中で、[1]"coefficients"が回帰直線の傾きと切片を示し、

 > fm$coefficients

上記のコードで、下の様に、その値のみを呼び出すことが出来る。

 (Intercept)           x 
  8.6183673  -0.6704082 

解析結果は、

 > write.xlsx(fm$coefficients, file.choose(), col.names = T, row.names = T)

とすることで、excelファイルとして保存できる。ここでは、

  file.choose()

を使用しているため、任意の名前で保存できる。(但し、拡張子(.xlsx)を付け忘れないように)

 col.names = T, row.names = T

この部分は、行と列の名前を出力するかどうかを指定する箇所で、出力しない場合は“F”にする。



最後に、コードの全体を書く。

> library (xlsx)
> data = read.xlsx(file.choose(), 1, stringsAsFactors = F, header = F)
> attach (data)
> x = data[[1]]
> y = data [[2]]
> plot (x, y, pch = 16)
> fm <- lm(y ~ x)
> abline(fm)
> write.xlsx(fm$coefficients, file.choose(), col.names = T, row.names = T)


Javaで書くよりもかなりスッキリしている。


(注:今回使ったデータは、「統計学:Rを用いた入門書」(共立出版)から拝借しました。)